伊藤ひろたか

トップが変われば、現場は変わる

2007年 11月 04日

米国の大手IT企業「HP」。
今、再び脚光を浴びている。
収益構造が非常に特徴的だからだ。
パソコンやプリンター、サーバ機などの
ハードウエアが利益の8割をたたき出している。


近年、世界のIT企業はハードからソフトへと
重点分野を変えてきた。
IBMはパソコン事業を中国企業「レノボ」に売却したし、
日本においてもソニーはソフトやサービスに力を
入れようとしてきた(もっとも、ソニーの場合は道半ばで
未だにハードが利益の大半を占める)。


本稿で話をしたいのは、こうした企業の収益構造ではなく、
トップの交代がいかに現場を変えるか、だ。
HPはわずか2年前、カリスマ女性経営者が
CEOの座を追われた。
毎週のように、なんらかの経済誌に登場していた経営者だったが
強引な経営手法に現場の理解が得られず、
突然、CEOを解任された。
現場はとにかく混乱していた。
当時、そのように報道されていた。


パソコン事業ではデルの後塵を拝し、
世の流れであるソフト産業へのシフトでもIBMに
遅れを取っていた。
一体、どうやったらシリコンバレーの名門IT企業、HPは
復活できるのだろうと私は思っていた。


ところが。
トップ交代からわずか2年半で、HPの業績は見違えるように
なった。
現在のCEO、マーク・ハード氏はCEO就任後、数千人いる
従業員との対話を繰り返していたという。
なるほどと思う。
どれだけトップにカリスマ性があっても、個人としての高い能力を
備えていても、最後は現場の努力なしには企業は変わらない。
その魅力がマーク・ハード氏には備わっていたということなのだろう。
現場がトップを信頼したからこそ、HPという会社は大きく変わった
のだ。


今、地方自治体は財政難にあえぎ、歳出の多くは人件費が占める。
一体どこに手をつけていいのか分からない状況とさえ言える。
しかし、この状況さえ、トップのあり方が変われば、現場も変わる。

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