伊藤ひろたか

恥をかかされた中田市長

2007年 12月 16日

先の一般質問で自民党・渋谷議員が質問した、
市長の突然のサンディエゴ訪問中止のカギを
握る、1通のメール。
今、読売新聞が総力を挙げて取材している。


メール(英語)には「サンディエゴへの来訪を
楽しみにしている」と書いてあるのに、
国際室長である長谷川氏が読み間違えて、
急遽、市長の訪米を中止にしたことを糾弾する
内容だ。


読売新聞の報道によると、外交儀礼にも精通している
複数の英語専門家(元外交官や通訳者など)は
みな、一様に「どう読んでも、歓迎メール。読み間違える
などあり得ない」と指摘している。


にも関わらず、この段階にあっても長谷川室長は
メールの読み間違いではない、と言い張っているそうだ。
正直、こんな人物が国際室長というポジションで
いいのだろうか?


今回の件は2つの大きな問題を抱えている。
まず、360万の人口を抱える大都市・横浜が、
国際室という組織を持ちながら、
英語でのコミュニケーション能力に不足が
あることが判明した。
しかも、それによって姉妹友好という外交に
失敗したことだ。


外交というのは何も外務省だけがやることではない。
地方都市の友好親善活動や、あるいはイチローや
松井など海外で活躍するスポーツ選手を通じて、
あるいはマンガなどのサブ・カルチャーを通じて、
日本がどういう国なのか、海外に伝播していく。
これも立派な外交。


今回の件でサンディエゴの人たちはどう感じただろうか?
「横浜は失礼な都市だ」というだけで済むとは思えない。
「日本人は失礼な連中だ」と感じるだろう。
逆の立場になって考えれば、分かることだ。


そして第2の問題点は、コミュニケーションの方法だ。
今回、メールを受信した国際室は直接、サンディエゴに
電話をして確認するという作業を怠っている。
ネットでの情報とメールの読み間違いという2つの情報
だけで「サンディエゴは大変な状況だから、訪米は中止」
という判断を下している。


私は記者を経験していたから、感じるのだが、やはり
一次ソースへの確認は絶対に必要だろう。
なぜ、その作業を怠ったのか。
サンディエゴと半世紀に渡って重ねてきた交流は
そんなにも軽いものだったのだろうか。


想像力を豊かに考えて欲しい。
もし、自分が50年来の友人と1年に1度だけ会う日。
その直前に、「今度はよろしくね」と送られてきたメールを
読んで、(仮に読み間違えたとしても)、友人に
何の確認もせずに、会うことを中止するだろうか。
きっと、電話をして理由を確認するだろう。
直接、口での説明を求めるだろう。
そうすれば、内容の取り違いは解消するはずだ。
なぜ、国際室はこの作業をしなかったのか。


さて、一連の騒動で横浜市の信頼は地に落ちた。
中田市長は国際室長によって恥をかかされたわけだ。
この責任は一体、誰が取るのか。
少なくとも、長谷川室長は自らの過ちを認めなければいけない。
これ以上、読み間違いではないと言い張るのは、
横浜市として恥の上塗りをするだけだ。


もちろん、上記の議論は(市長から国際室長に一切
指示がなかったと)善意に解釈すれば、の話であることを
付記しておく。

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