環境問題に対する世界の意識、日本の意識
2008年 04月 29日前職・記者時代に私が得意とした分野の1つが環境問題だった。もうちょっと突っ込んだ書き方をすれば、世界における環境規制に対する日本企業の対策、である。みなさんが想像する通り、日本は技術立国であるから、世界の規制に対しても、政治のパワーバランスで対応するのではなく、地道な技術開発によってその規制を乗り越えてきた。
今、世界の環境規制をリードしているのは、間違いなく欧州である。京都議定書の温室効果ガス削減にも積極的だし、21世紀になってから日本のエレクトロニクス業界を悩ませてきたRoHS指令、EuP指令、REACHなどいずれも欧州発、である。
さて、今回は世界の環境規制に対して日本はどう対応すべきか、私の考えを整理したいと思う。まず、欧州は環境問題に対して私たち日本人が考える以上に非常にシビアだ。それは国同士が陸続きであることも原因だろう。前述したRoHS指令もスイス・バーゼルで発生した化学工場の爆発事故が原因でライン川流域諸国が多大な被害にあったのが事の発端である。ドイツでもリターナブルなビンは一般的だし、太陽電池に対する助成も手厚い。
欧州は環境問題に非常にシビアである一方、環境問題を解決すること、あるいは環境規制は国の、ヨーロッパの世界における競争力になり得ることを確信している。ここが欧州の賢いところだ。過去の痛みを繰り返さない努力をしながら、その行為そのものを自分たちの産業競争力につなげているのである。つまり、しっかりと戦略を持っている。
翻って日本。残念ながらポリシーを感じない。国にも感じないし、産業界にも感じなかった。唯一あったのは、環境対策をしっかりと施さないと製品が世界で売れない、環境対策はコストの問題だという産業界の強い焦りだった。もちろん、それはそれで間違いではないが、やはり一貫した戦略がないと、常に後手に回ってしまう。
よく21世紀は環境の世紀と言われる。記者時代の経験と、その後日々流れるニュースから21世紀は欧州を中心に回っていくだろうと確信している。外務省も経済産業省も優秀な官僚スタッフがいるわけだから、その辺の事情は非常に精通しているだろうと思う。ぜひ、日本としてどう欧州と伍していくのか、その辺の議論を国会で活発に行って欲しいと思う。
私は日本が単独で欧州の戦略に対抗するのは難しいと考えている。それであれば、欧州の戦略をしっかりと理解し、日本の技術をいかに売り込んでいくか、ここが日本の産業力を考えた時、重要になってくるのではないかと思う。原子力発電、電気自動車、薄型太陽電池、回生エネルギーなど日本が強い分野はいくらでもある。環境の世紀は日本にとっても大きなチャンスなのだ。