伊藤ひろたか

ガソリン値上げ、実はよく考えるべきポイント

2008年 05月 01日

昨日、衆議院本会議で税制改正関連法が再可決された。これによりガソリン税の暫定税率が復活。早速、今日からガソリンスタンドではガソリン価格が上がっていた。ざっと見たところ、緑区内では156円~158円の値がついている。


私は正直、今回の値上げに関する世論には疑問を感じている。自民党の理屈にも疑問だし、民主党の理屈にも疑問である。なぜか。世論は、民主党は値上げがいけないという。しかし、本当に値上げはいけないことなのだろうか。今、世界は温室効果ガスの削減に向けて舵を切っている。それであれば、ガソリン価格を高くして、車の利用を減らすのは有効な手ではないか。実際、欧州ではガソリン価格に占める税金の割合は60%を超えている。日本は40%だ。世界水準からみれば、まだ低いのである。


そういう事情があるから、「ガソリン価格が上がるから反対」というのは理由にならないし、世界の理解が得られないと考える。民主党はそういった世界の事情も考えた上で反対をしているのか。大衆ポピュリズムになってはいないか。


欧州では今、モーダルシフトを一生懸命行っている。つまり輸送手段を車から鉄道に切り替えているのである。だから、大陸間を新幹線などの高速鉄道で結ぼうと莫大な税金を投入している。日本の自動車メーカーもこうした海外の事情を分かっているから、電気自動車の開発に躍起なのだ。ガソリン車がいずれ売れなくなることを痛切に感じているからだ。


こうした世界の動きを考えたときに、「ガソリン価格が高くなるから」という理由で反対する政治家、あるいは日本という国が世界にどう映るだろうか。


かといって自民党のやり方に賛成しているわけではない。道路族と呼ばれる議員が跋扈しているようだが、これもまた世界を知らない。田中角栄氏が暫定税率を導入したときは道路がなかった。財源もなかった。だから、まさにウルトラCだった。時勢を捉えた政策だった。しかし、今、世界はなるべく自動車を使わない社会へと転換しようとしている。その時に、自動車のための道路を整備するというのは、なんとも時代音痴といわざるを得ない。


地方には地方のいい分もあろうと思う。道路をまったく整備しなくていいとは言わない。しかし、必ずムダがあるはずし、全部が本当に必要でもないだろう。


せっかく、今回のガソリン騒動をキッカケに暫定税率の存在が広く国民の知るところになったわけだから、これを利用しない手はない。福田首相が打ち出したように、暫定税率の一般財源化を実現し、それを環境対策に利用すべきだろう。私はガソリン税から子育て支援や福祉などに予算を回すのは、税負担の公平性からちょっと無理があるのではないかと考えている。ガソリンという環境に優しくない燃料を使うわけだから、そこにかかる税金は環境対策に使う。これでいいのではないか。以上の立場からすれば、ガソリンの値上げは大いに結構。もっと高くてもいいと思う。それが世界標準だ。


ぜひ、国会議員の方々から、そういった声を聞いてみたい。目先に捉われることなく、10年、20年先の社会を見据えた本質的な議論を望んでいる。

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