海外視察について思う
2008年 05月 06日2007年の統一地方選挙で私は海外視察について批判をした。物見遊山になっているのではないか、と。なぜ、私がそうした批判をしたかといえば、行き先がとても視察とは思えない国・地域が多かったからだ。もちろん、しっかりと目的を持って視察をしている議員もいるだろうが、残念ながら一般の市民にはおかしな海外視察例の方が目に入るものだ。
さて、選挙で私が批判したポイントは「目的をもたない、そして成果物がない視察は意味がない。物見遊山だ」ということ。こうした批判をしていただけに、私自身にも市民のみなさまから厳しいチェックを受けなければいけないし、当然のことだと思っている。
私は5年の記者生活を送った。記者というのは自分で問題を提起、仮説を立て、それを立証すべく幅広く意見を求める(取材)のが仕事である。取材を進める中で、仮説を検証し、場合によっては修正をしていく。だから取材ソースを見つけるのも記者の力量、取材先から話を聞き出すのも記者の力量だった。当然、海外取材も同じプロセスを踏む。「なぜ、海外のA社に取材する必要があるのか」「そこでどんな話を聞き出すことを狙っているのか」といったことを上司、編集長なりデスクなりに説明する。上司の許可が出れば、海外に出張するという算段である。海外出張前の準備こそが成否を決めるといっても過言ではない。
という記者生活を送ってきたことを前提に議員の海外視察を考える。他の議員がどういうプロセスを踏んでいるのかは私は分からないので、上記のように結果で判断するしかないわけだが、私はプロセスもしっかりと市民のみなさまに明らかにしたい。ちょっと結論が遅くなったが、私は海外視察に行くつもりだ。どういう仮説をもって海外視察に出向くのか。海外視察の結果をどのようにアウトプットするのか、そこまで事前に筋道を立てた上で、海外に行こうと思う。調べたい事例が欧州に山のように転がっているからである。
これまでに何度もブログで書いてきたように、これからは欧州の時代になる。必ずなる。私の記者時代の経験からも環境規制というキーワードで欧州がここ数年メキメキと力をつけている。政治パワーとしてもさることながら、やはり政策力もあなどれない。特に最近の注目はロンドン市。車の市内乗り入れを厳しく制限したり、地下鉄への乗車を誘導したり、かなり本気になって低炭素化社会を志向している。
海外視察ではロンドン市のほか、欧州環境規制の情報発信基地であるブリュッセルなどを訪問し、政策立案の肝や運用上の課題、あるいは実際に現地で暮らす市民の生の声などを聞きたいと考えている。その上で、横浜市の脱温暖化政策を単なるパフォーマンスに終わらせることなく、実のあるものにしていきたい。
ルール上、私が海外視察に出られるのは1年後なので、まだ先の話。このルールがまた曲者。上で述べたように基本的に一人でスケジュールを組み立てるよう訓練してきた自分にとって、議員の海外視察も本人にやる気があれば一人で行かせてもいいと思う。ところが、横浜市会のルールでは、海外視察は2人以上のグループでなければいけないことになっている。正直、私にはこの意味が分からない。複数で同じ場所を訪問するより、それぞれが異なる地を取材した方がレバレッジが効くはずなのだが。議員が信用されていない証なのだろうか・・・・。
コメント (4)
驚きました。1つは海外視察が議員になって2年後以降(そういうことですよね?)、それから2人以上での視察。まともに海外視察をする人がいないからルールができたのか、それともこんなルールがあるからいつまでたっても一人前になれないのか。
ちなみに私の職場では理由がない限り原則出張は一人です。(普通だと思いますが)会社は出張すれば成果物を求められますが、議員の方はいつ行かれたのかもわかりませんもんね。(もっとも何か出されているのかも知れませんが。。)
いっそのこと視察(国内外)をすべて自由にし、予算も特別に与え、そのかわりその成果物一切合財を公表することを義務化する方が良いのでは。使った費用も含め。
そんな条例は出せませんかね。
投稿者: NOBLE@台村 | 2008年05月07日 21:58
日時: 2008年05月07日 21:58
海外視察は予算があります。これも不思議なルールがありまして、1期目は60万、2期目以降は120万円です。私には差をつける理由が分かりません。
それと海外視察の報告書は市会事務局に提出するのですが、ようやく平成19年度分からインターネットで公開されることになりました。もっとも、まだホームページはリニューアルされていませんが。少しずつですが、前進はしています。
投稿者: 伊藤大貴 | 2008年05月08日 13:36
日時: 2008年05月08日 13:36
民間企業であれば、一人で可能な海外出張は一人が当然です。議員の海外視察も一人づつ違う
場所へ行った方が費用対効果は高くなります。
しかし、今の議員にそれ程の信頼は市民として
与えられません。観光だけして帰って来る議員
が大半だと思うのが市民の大方の想いです。インターネット等の情報技術が発達した今、昔のように海外視察として現地へ行く必要性は減っていると考えるのが自然です。仮に海外視察は認めたとしても議員のモラルも信用できず、異なる党派の複数メンバーで行ってもらって互いに監視しあうようにして頂かないと、しっかり
仕事のための視察をして頂けるかも甚だ疑問です。このような考えは市民の大多数が共感すると思われます。最後に、伊藤議員が一人で海外視察に行かれることには大賛成であることを付け加えさせて頂きます。
投稿者: 川人 利治 | 2008年05月09日 12:24
日時: 2008年05月09日 12:24
政治家が信用を失っているのが問題ですよね。それは日々、感じています。
情報公開が進んでいるとはいえ、その情報がどこにあるのか結構分かりにくいのも問題です。
政治家の信頼回復というのは、実は何よりも重要な課題だと私は思います。それが実現できれば、消費税の増税の議論なども、もっとしっかりと展開できるのではないでしょうか。
投稿者: 伊藤大貴 | 2008年05月09日 13:12
日時: 2008年05月09日 13:12