伊藤ひろたか

何のために働くのか、よって立つ原理原則は何か

2008年 05月 25日

「岩瀬大輔さん・・・・。どこかで聞き覚えのある名前だな」。


今、急速に注目を集めている生命保険会社があります。それはライフネット生命。分かりにくい生命保険の仕組みをシンプルに、そしてガラス張りにしました。そしてインターネットを通じて保険を販売することから人件費などを抑え、保険料が極めて安く抑えたのが特徴です。


ライフネット生命の副社長が岩瀬大輔氏、32歳。東京大学を卒業した後、ボストンコンサルティング、リップルウッドを経て、私費でハーバード大学に留学し、ライフネット生命の副社長に就任した経歴の持ち主。先週土曜日の朝日新聞のbe on Sathurdayの1面、2面で取り上げられていました。


記事を読み進めているうちに得心。私が記者時代に大好きで読んでいたブロガーだったのです。「ハーバードMBA留学記」というブログでした。私と2つしか違わないのに、世界経済を見る視野の広さと、それを支える知識の豊富さに驚きを隠せなかったのを覚えています。私自身の勉強のために彼のブログを欠かさず読んでいましたが、ハーバードでMBAを取得後に、役割を終えたブログは閉鎖され、残念に感じていました。


そんな彼がマネックス・ビーンズ・ホールディングスの松本社長などから助言を得て起業。


私は今の30代は大きな可能性を秘めていると思っています。就職は超氷河期で、自分が何をやりたいのか、それが会社にとってどんなメリットがあるのか、そんなことをかなり一生懸命考えないと就職できなかった世代でした。就職率は60%を切り、超買い手市場だったのです。だから当然、就社という意識はまったくなかった世代と言ってもいいかもしれません。


私自身、日経をあっさり辞めれたのもそんな背景があったからだと思います。周囲からは「いい給料をもらっていて、結婚もしているのに・・・」と言われることもありましたが、自分が人生の中で社会に対してどのような貢献ができるかと考えたときに、そうした反対の声は私にとってはあまり意味のあるものではありませんでした。


きっと岩瀬氏も同じだと思います。記事の中で彼は人生のゴールはお金や成功ではないと言い切っています。留学中に彼はアメリカで「自分は何のために働くのか」「よって立つ原理原則は何なのか」を考えさせられたと言います。その結果、刺激し合える仲間と仕事をすること、胸を張って言える社会的な意義のあること、自分にしかできない自分らしさを発揮できること、この3つすべてを満たしてくれるのが今の仕事だとインタビューで回答しています。


こうした発想の仲間がこれからもどんどんと現れてくると私は確信しています。生まれたときから豊かな時代に育ったがゆえに、ただお金だけのために働くという意識になりにくいのだと思います。もちろん、衣食足りて礼節を知るということわざがあるように、お金も必要。しかし、これまでにブログでも触れてきましたように、私たちの世代は中学生のころ、日本にはびこった享楽主義をマスコミを通じて知り、そのわずか数年後にバブル崩壊を目の当たりにしました。お金だけでは決して幸せになれないことを冷静に見てきた世代だと思うのです。


政界だけでなく経済界、文化界などに岩瀬氏と同じ発想を持った仲間が一人、また一人と現れてくれば、必ず日本はよりよい方向に進んでいくでしょう。ただ、手遅れにならないためにも、日々の議員活動とは別に仲間作りをしていきたいと思っています。

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