久しぶりの取材にワクワク
2008年 06月 06日取材といっても受ける側ではなく、私が話を聞く側、取材する側です。今日は川崎市経済労働局に話を聞きに行きました。昨日、いくつかの大手新聞紙で報道されていました中小企業への特許コーディネートについて聞いてきました。市内にある大企業が持つ特許を中小企業に移転し、商品化に漕ぎ着けたというニュースです。
かつて記者時代に企業の知財戦略を取材していた上、今回、横浜市の経済政策を議論する経済観光・港湾委員会に所属したこともあり、調査活動として川崎市を訪問しました。横浜市は知財戦略の推進に2700万円の予算を計上しています。川崎市の知財への予算は800万円と横浜市の約1/3ながら、今回、結果を出しました。この点は横浜市も大いに見習うべきだと思います。やはり、税金を投入する以上、結果を出さなければいけません。
さて、大企業はそれこそ莫大な特許を保有しています。特許を大量に保有する大企業ならではの悩みがあります。それは事業のスピードと開発のスピードが違うことです。どういうことかというと、開発は5年先を考えて取り組みますが、事業は数ヶ月あるいは1年といった短い期間を見て走ります。当然、ビジネスとして成立しないとなれば、撤退することもあるわけです。
その結果、開発の途中で取得した特許が休眠特許となってお蔵入りしていまうのです。日本では特許の活用率が約50%ですから、半数はお蔵入りしていることになります。企業サイドに話を聞きますと、活用されている50%の特許のうち、「その特許がないと製品が成り立たない。特徴を打ち出せない」という特許になると、もっと少ないのが現状です。
このお蔵入りしている特許をうまく中小企業に移転することができれば、大企業と中小企業がお互いWin-Winの関係を築けます。お蔵入りした特許は大企業から大企業に移転するのはほとんどあり得ません。なぜなら、携帯1つ取っても製品が特許のかたまりであり、たった1つの特許を他の大企業が欲しがるという事態は想定しにくいからです。
しかし、中小企業は違います。大企業と異なり、ある特定の部品、あるいは材料など大企業では手がけることの難しい分野を担当していますから、お蔵入りの特許でも活用の仕方はあるのです。今回の川崎市の事例はまさに、それを絵で書いたような案件と言っていいと思います。
大企業の特許を中小企業に移転する―――。言葉にすると簡単ですが、非常に大変なことです。なにせお互いに情報をもっていませんから。大企業がどんな特許を保有しているのか、あるいは中小企業がどんな技術を欲しているのか。この両者のコーディネートこそ、自治体が役割を果たせる場所です。特に中小企業の多くはライセンス契約を交わすという経験をしたことがありませんから、「大企業に騙されるのではないか」という不安を抱いていると言います。その点、両者の間に自治体が入ることで、その不安も消えます。
「お見合いと一緒ですよ。相手(中小企業)のプロフィール(どんな技術を欲しているのか)が分からないと、何を提供していいのか分からない」とは、ある企業の方の弁です。重要なのは人。自治体の人材です。必死になって中小企業を駆け回り、どんな技術を欲しているのか、そのニーズを探れる人材が必要です。ただ単にセミナーを開催するだけではダメなのです。
大企業からライセンスを受けた中小企業の製品が売れ、売上高が増えれば、結果的には横浜市にも法人市民税という形で返ってきます。以前のブログでも書きましたが、今や個人市民税による市税収入は頭打ちになりつつありますから、今後は法人市民税などをいかに増やしていくかが重要な政策になってくるはずです。
今回、経済観光・港湾委員会という横浜市の経済戦略を練る委員会に所属することが出来ましたので、一歩でも二歩でも市内企業の活性化につながるアイデアを出していきたいと思っています。