伊藤ひろたか

重粒子線治療の現場を視察

2008年 07月 07日

今日は横浜市会議員89名から構成される「がん撲滅横浜市会議員連盟」による視察に参加しました(写真はflickrに公開。HPで写真がチョコチョコと動いています)。行き先は千葉県にある独立行政法人・放射線医学総合研究所。世界に3台しかない重粒子線がん治療施設を備えています。


視察では現在のがん治療の大きな流れと、その中で重粒子線治療が果たす役割、今後の期待などについて説明を受けました。その後、実際に施設の見学。


重粒子線は加速器が非常に大きく、私も高校生のときに物理の教師から「運動場くらいの大きな装置になってしまうのがネック」と説明を受けた記憶がありました。実際に、今、放射線医学総合研究所にある加速器は私の記憶の通りで、工事費は約326億円とのこと。


ただ、ここにきて小型化の技術改良にもメドが立ち、価格も1/3程度に収まる見通しが立っているということでした。次は国内では群馬大学に納入の予定。国内メーカーでは三菱電機、東芝、日立製作所、住友重工の4社。世界でもドイツのシーメンスくらいしか装置を開発できないそうです。今日の説明では聞くことはできませんでしたが、特許はどういった形で守られているのか気になるところです。


さて、重粒子線治療の最大の利点は、身体への負担を少なく、がん細胞をピンポイントで狙い打ちできること。しかも理論的には最も効果が高い治療方法だそうです。頭や骨盤など手術が困難ながんや、肉腫や腺がんなど放射線抵抗性がんに有効な治療方法として注目を集めています。


もっとも重粒子線による治療は万能ではありません。病巣が全体に広がっているものやその可能性が高いがんには適用できないとのこと。しかも、現時点で保険の適用が受けられませんので、数百万円の治療費を要します。


今日の視察を通じて、医療の進化に改めて驚かれました。同時に「人の幸せ」とは何か、ということも考えさせられました。もちろん、先端医療の研究・開発は進めていくべきですし、その恩恵に預かることによって幸福を得られる人もいるでしょう。しかし、これだけ医療が進歩していながら、自殺者が年間3万人を超える今の世情を考えたときに、こうした人たちに対して手を差し伸べていく医療の取り組み、行政の取り組み、地域の取り組みもまた、必要なのではないかと感じました。

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