地方の魅力をいかに高めるか
2008年 07月 28日これから国では道州制の議論が次第に活発になっていきます。横浜市もかつて特別市を目指した経緯を考えれば、議論の行方から目が離せません。大切なことは、市民サービスを最も効率よく提供できる都市の形を目指すことだと思います。少なくとも、今の政令指定都市という暫定措置の状態では課題は山積みです。さらに市内をみても各行政区の裁量はほとんどないため、地域性を打ち出しにくい状態です。
さて、道州制を議論する上で、ただ単に行政のスリム化だけが狙いではいけません。いかにして、各地方の魅力を高めるか、ここを徹底的に議論すべきだと思います。明治21年の時点で、人口が最も多かった都市をみなさん、ご存知ですか?あるいは想像できますか?
答えは新潟県。人口は166万人でした。これに、兵庫県(151万人)、愛知県(144万人)、東京都(135万人)と続きます。明治21年といえば、まだ江戸時代の名残りが随所に残っていた時代です。この人口分布こそが江戸時代の日本の強さだと私は思います。政治の中心は江戸にあっても、地域ごとに経済が成り立っていました。もっとも、新幹線に高速道路と、交通インフラがこれだけ整った現代にあって、江戸時代と同じ経済圏を目指すのは現実的ではありません。しかし、地域が独自の強みを持って独立するという発想は大いに参考にすべきでしょう。
先日、常任委員会の視察で北九州市を訪れました。北九州から見ると、大阪よりも近い距離に釜山があります。東京より近い場所に上海があります。同市からすれば、経済圏は中国、韓国の方がより身近なわけです。将来、道州制が導入された時、そういった地域性を大切にして、都市の魅力を高めていく必要があります。
では、横浜市はどうでしょうか。私は東京を意識した経済圏を目指すべきだと思っています。それは東京をライバル視するという意味ではなく、東京をうまく補完しながら、成長できる都市という意味です。例えば、モノ作り。今、エレクトロニクス業界では勝負のポイントがハードウエアからソフトウエアに移っています。ソフトウエア・メーカーは中小企業であることが多いため、彼らからすると東京はオフィス賃料が高くてかないません。ですから、ソフトウエアのメーカーを横浜に誘致し、集積させる。そして、周辺に東大や早稲田、慶應などの大学を誘致し、知を結集させる。
一方で港を含めた観光戦略を世界的に展開する。横浜は開港都市という過去があり、中華街という観光資産もあります。
以前にも述べましたが、個人市民税が頭打ちになりつつある今こそ、いかにして経済を活性化し、観光客を誘致するかが重要になってくると私は思います。先立つもの、お金がなければ、柔軟な住民サービスを提供しにくいのです。冒頭に述べたように、都市制度をすっきりさせて、二重行政を解消し、地域分権を実現させる。その上で、地域経済を活性化できれば、格段に住みやすい街を実現できるはずです。そして、それだけの潜在能力を横浜市は備えているのです。
来るべき時に備えて、私も日々研鑽を重ねたいと思います。