日本人から勤勉さを取ったら何も残らない
2008年 07月 31日得てして自分に対する評価というのは、なかなか客観的にできないものです。今朝の読売新聞に「日本人の勤勉さがこれからも続くと思う人が35%にとどまり、そうは思わないという人が61%に上った」と報道されていました。
日本人から勤勉さを取ったら、何が残るのでしょうか。私は日本経済が復活する最大のポイントがこの勤勉さだと思っています。みなさん、大型家電量販店にテレビを買いに行っているところを想像して下さい。目の前に37インチの液晶テレビがあります。映像もキレイですし、何より薄いのが魅力的。もう欲しくてたまりません。買うことを決意しました。さて、あなたはどうしますか?
恐らく多くの、いや日本人であれば100%、バックヤードにあるダンボールに梱包された、展示品と全く同じ製品を持って返るでしょう。「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われる方がいるかもしれません。しかし、実はこれこそ日本人の勤勉さを正に証明しているのです。
例えば、隣の中国だったらどうなるか、ご存知ですか?多くの場合、目の前に展示されているものを欲しがります。理由は簡単です。バックヤードにあるダンボールに梱包されている製品は映像が映るか分かりませんし、中身がすり変わっているかもしれないと思うからです。目の前にある展示品であれば、映像が映っていることを自分の目で確かめていますから安心です。
事例は尽きません。今、ウォルマートなど世界の小売業では無線タグという部品を使って商品管理をしています。流通から在庫までの全てを、です。なぜ、彼らが無線タグを利用するかと言えば、業務の効率化もありますが、それ以前に流通の過程で商品がなくなるからです。それを防ぐために、どこで誰が商品に接触したかを管理するために無線タグを利用するわけです。流通過程で商品がごっそりなくなるなんて、日本では考えられないことです。
話が少し逸れました。日本人の勤勉さというのは上記の例を挙げるまでもなく、実は非常に突出した特性なのです。それが失われつつあるのだとすると、非常に由々しき事態です。冒頭に申し上げた通り、日本経済が復活する要諦は勤勉さにあると私は考えています。
こんなジョークがあります。「世界で最強の軍隊は、アメリカ人の将軍とドイツ人の参謀、日本人の兵隊である」。少し、寂しい感じもしますが、それぞれの国の特性をうまく言い表していると思います。残念ながら金融の世界を見ても、エレクトロニクスの業界を見ても、世界で伍していける、成長戦略を描ける人材が非常に少ないのが現状です。そうであれば、最強軍隊のジョークではないですけれども、戦略を描ける企業トップを海外から招聘すれば、日本経済は復活するのではないかと思います。現場の社員は非常に勤勉ですから、戦略と進むべき方向だけ示されれば、それに向かって働くことでしょう。
長期的な視点に立てば、将軍、参謀を務めることができる人材育成に注力することが日本の国力を高めることになります。以前より私が真のエリート教育を導入すべきと主張しているのは、こういった背景からです。ただ、条件があります。それは日本人の勤勉さがしっかりと保たれていること。勤勉さが欠けると、エリートがいてもダメです。日本人が思っている以上に、勤勉さは非常に強みを発揮すると私は思います。
私自身、こういった問題意識を日ごろから持っているものですから、読売新聞の報道を見て教育の再生をはじめ、社会にはびこる得体の知れない空気の一掃こそ喫緊の課題だと感じた次第です。
コメント (2)
朝の十日市場駅でよくお見かけします。元気よく報告している姿に、元気をもらっています。さて本題について
勤勉さとは日本人の大きな取り柄だと思います。例えば、世界最小の携帯電話、外食店での丁寧な応対、掃除された駅のホーム、何気なく目にする全てが、日本人の勤勉さで支えられていると思います。
でも最近の産地偽装問題の多発を見ていると、日本てこんな国だったけ?と驚くばかりです。勤勉さの低下だけでなく、やむにやまれず手を出してしまう昨今の厳しさもあるのだと思いますが。
自分の勤務している某大企業でも、目標管理制度による実質的な原資削減、昔のような全員昇進(昇給)はなく大多数の平社員化、NO残業DAY化、長期連休の廃止など、まさに日本の将来を暗示した制度がビシバシと導入されています。
つまるところ勤勉さ(従来の延長)だけだと、会社もジリ貧になることが避けられないんだと示していると思います。
”勤勉さ+α”による日本独自の産業を産み出し(現行産業の発想転換でもよい)、結果として海外の富も引き付けていくような国づくりが求められていると思います。
長期的な施策かもしれませんが、真のエリート(公僕精神のある)、真のオタク(プロ)をガンガン生み出す土壌創りよろしくお願いします。
投稿者: 十日市場の隣人です | 2008年08月16日 16:52
日時: 2008年08月16日 16:52
書き込みありがとうございます。
ご指摘下さった、現在の企業を覆う閉塞感には私も同様の感想を持っています。私自身が所属していた企業もそうでしたし、取材先の企業もそうでした。
今、日本企業に求められていることは独自の付加価値を持つ製品、サービスを提供することです。言うは易しですが、これが中々できなくて、どの企業も四苦八苦しています。
携帯電話でなぜ、日本のメーカーがiPhoneのような製品を作れないのか。平均的であることが豊かになる近道だった時代の経験からまだ抜け出せていないからだと私は思います。
記者として活動した、その肌感覚から言えば、企業において若い層は変わらないといけないことを分かっています。ちょっと上の層は分かっているけど、どうしていいのか分からない、そんな状態です。
まさにご指摘の通り、長期的な視点に立った人材育成、教育が大切になります。政治の世界で変えられるのは仕組みです。今の立場からできることにしっかり取り組んでいきたいと思います。また、今の立場では難しいとなれば、その時はステージを変えて、挑戦していこうと思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。
投稿者: 伊藤大貴 | 2008年08月16日 17:11
日時: 2008年08月16日 17:11