伊藤ひろたか

ディベート文化のない日本で議会はどこに向かうのか

2010年 01月 07日

私は幸いなことに、日経BP社で社会人としての第一歩を踏み出すことができました。同社は日経新聞の子会社ですが、もともとはアメリカの出版社「マグロウヒル」と合弁で設立した会社で、旧社名も日経マグロウヒル社でした。


私が所属した日経エレクトロニクスという編集部は日経マグロウヒル時代から存在する、日経BP社の中でも日経ビジネスに次ぐ、古参の雑誌でした。だからでしょうか、自然とディベートの文化があったように思います。組織に従順であることは求められず、たとえ、上司であってもしっかりと議論する文化がありました。議論での対立を恐れてはいけない、自分の意見を言えない記者は評価されませんでした。もちろん、仕事を通じての激しい議論ですから、仕事を離れれば、笑顔での付き合いです。私が日経BP社を退職した今もなお、一回り以上も離れている、かつての上司と杯を重ねているのが、その文化を如実に語っていると思います。


なぜ、今回のブログで、こんなことを取り上げたのか。かつての職場はよかったなどという、つまらない懐古主義ではありません。かつての職場で慣れ親しんだディベートの文化が議会では希薄であることに3年間、違和感を覚えているからです。議会は税金の使い方を決める場所です。当然、様々な立場の市民を代表した議員が集まる議会では、様々な意見があっていいはずです。


私は過去に反対してきたものとしては、例えば、救急条例の制定であったり、みどり新税であったり、新市庁舎整備の種地とされた用地取得の予算計上などがあります。私はそれぞれに反対する理由がありました。反対の理由はこれまでブログでも述べてきました。もちろん、私の反対理由に納得できない、妥当性が見いだせないとする意見も存在でしょう。私と異なる意見が存在することは当然のことであり、自然なことです。


ところが、どうも議会の反応は違う。「伊藤君は反対してばかりだね」。地域を回っていて、「伊藤さんは反対しかしていないと聞くけど?」と言われることもあります。そのたびに私は答えるのです。「すべてに反対しているわけではありませんよ。市民に説明できないなと思うものについて、反対しているだけです」、と。反対することは和を乱すと取られるのかもしれません。


これまで市政報告会などではお話してきたことですが、私は「林市長だから、何でも反対する」とか「中田前市長だから、何でも反対する」と考えたことはありません。あるいは官僚性悪説に立って、市長が誰であろうと反対するということもありません。常にあくまで是々非々です。


これからの地方議会、議論を恐れてはいけないと思います。地方分権が叫ばれていますが、議論をしない地方自治体に権限と財源が移譲されても、地方自治体は変われません。横浜市会議員として、職責を全うするためにも、議論を恐れず、臨んでいきたいと思います。

コメント (6)

藤代秀一:

 以前から言われていることですが、日本では「ディベート」を教育して来なかったことの結果ではないでしょうか。
「議論」すること、「議論」の末に当初の主張を撤回することをからネガティブなイメージを払拭しなければならないでしょう。
以前、シリコンバレーの小学校のIT教育を見学したときに、チームに分かれてPowerPointでディベートのレジュメを小学生が作っていたのには驚くと同時にうらやましくもありました。

Labyrinth:

【謹賀新年&新聞社説のご紹介(「2010再建の年 地域主権 地方議会も変化の時だ」毎日新聞1月10日)】
横浜市会議員 伊藤大貴さま

新年明けましておめでとうございます。

さて、すでに、ご存知と思いますが、標題の社説は良い内容ですので、念のためにご紹介いたします。
横浜市会にも「公開の場で議論していることを市民に見せる風土」が必要と存じます。
そのためには、まず、市会の改革が要ると思います。
ことしもがんばりましょう。Labyrinth

「2010再建の年 地域主権 地方議会も変化の時だ」毎日新聞1月10日社説
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100110k0000m070091000c.html
以上

Anonymous:

上述に「反対することは和を乱すと取られる」とありますが、いちいちそんな事を気にしていたら、これから何事においても大成できません。一般の民間企業であれ、政治の世界であれ、どこの国であれ、程度の差があっても困難はつきものです。賛成なものには賛成、反対すべきものには反対、これはと思うことは自ら提案することを、何の蟠りもなくできなければ、わたしたち緑区民の代表や代弁者とし困ります。仕事場での評判より、緑区の利益代弁者、実現者であるということを常に信念とされるといいのではないでしょうか。仮にこれから国政などを目指すのであれば、着実な実績と成果の積み重ねが大事だとおもいます。

伊藤ひろたか:

藤代様 コメント、ありがとうございます。


私も当初、編集部に配属された時に戸惑った記憶があります。もっとも、すぐに慣れましたが。


ディベートに慣れない日本では議論が人格攻撃になりがちですが、議会でそのようなことがあってはならないと考えています。


伊藤ひろたか:

Labyrinth様

コメント、ありがとうございます。


次の改選期に、議会改革につながるような提案をマニフェストに掲げたいと思っています。

伊藤ひろたか:

匿名さん


書き込み、ありがとうございます。仕事場での評判より、緑区の代表である自覚をもって仕事をして欲しいとのご指摘は全く、その通りでございます。


私の表現が悪かったのかもしれません。ブログの最後の段落にて、「これからの地方議会、議論を恐れてはいけないと思います。(中略)職責を全うするためにも、議論を恐れず、臨んでいきたいと思います。」、と書かせて頂きました。


ご指摘の通り、私も議会での評価を気にせず、堂々と議論すべきは議論していく考えでおります。

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