2011年9月16日 07:55
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昨日、午前は小学校、中学校を視察し、午後は青葉区の山内図書館と西区の中央図書館を視察しました。
ご存知の通り、山内図書館は平成22年度から市内の図書館としては初の指定管理者制度を導入し、有隣堂グループに業務移管をしています。指定管理者制度の導入を巡っては、平成21年度、議会でも激しい議論が交わされました。当時の私のブログを振り返っても、導入の是非を判断するのに迷っている様子が伺えます。2008年12月の第4回市会定例会に上程され、この時は継続審査となり、翌年の第1回市会定例会で議決しました。私はこの時に議案には反対しました(市第72号議案部分を参照)。
当時の論点は指定管理になじむのか、例えば、司書など図書館はただ本を貸すだけの機能ではなく資料収集なども担っており、この部分で意見が分かれました。そして、同じ頃、神奈川県と有隣堂の間で預け金の問題が大きく報じられていたこともあり、判断がより難しくなりました。
さて、というわけで山内図書館の視察の目的は指定管理者制度導入後、館の在り方にどんな変化があったのか、導入前に不安視されていた司書などはどうなっているのか、この点を確認してきました。
司書の体制については10人と従来と同じ人員を確保し、まずは一安心。入館者の数も震災後、落ち込んでいるとはいえ、それまでは順調に伸びていたとのことで、来館者に大きな影響はないようです。アンケートなども取っているようなので、資料請求し、数字が分かった段階でブログでご報告したいと思います。iPadを使うなど、地域情報の提供には工夫がありました。
館の在り方そのものについては、大きな変化は感じられませんでした。一番の変化は地域との連携でしょうか。当時、議案を議決するに際し、附帯意見が付されました。特に学校図書との連携については、指定管理者制度導入前よりも専門スタッフを配置し、積極的に展開しているようです。
実は当時、この議案が議決された後、私は山中湖畔にある、全国で一番最初に指定管理者制度を導入した図書館、山中湖情報創造館を視察しています。この図書館のように、一段の工夫が欲しい所でもあります。
山内図書館を視察して一点、気になったこと。それはスタッフのネームプレートに「有隣堂」と入っていること。他の指定管理者で、指定管理を受けた団体が、会社なり団体の名前を表に出しているのを見たことがなかったので、少し違和感を覚えました。もっとも、有隣堂からすると、そういうことくらいしか、指定管理を受けるメリットがないということなのかもしれません。この違和感は一緒に行った木下議員も感じていました。
昨日、最後の視察先は中央図書館。蔵書180万冊にも上る国内有数の市立図書館です。なんでも国立図書館にもない本もあるとか。地下3F、2Fにある蔵書スペースも拝見させて頂きました。書架を見ると、小林一三氏が昭和13年に書いた「戦後の日本」という本が・・・・。非常に関心のそそられる本です。小林氏ほどの人物が将来をどう見通していたのでしょうか。こういう本がたくさん、中央図書館には保管されていますので、ぜひ、積極的に利用して頂きたいと思います。
中央図書館を訪れた目的は、デジタルアーカイブ。アメリカではGoogleなどが協力する形で大学図書館などのデジタルアーカイブが進んでいますが、こういう取り組みができないものだろうかと考えています。
日本とアメリカでは著作権の範囲が違うようで、簡単にいかない部分もあるようです。日本の場合は著者が亡くなって50年が経過すると著作権フリーになるそうで、中央図書館では著作権フリーになったものから順次、デジタル・アーカイブ化を進めています。予算の関係もあって、思うように進まない部分もあるとのこと。
私は図書館は文化だと考えています。その時々の人の考えや行動、風俗、文化などを資料として残していくことが少なくとも中央図書館の役割。図書館の有形無形の財産はぜひ、市民の皆様にも積極的に利用して頂きたいと思います。
コメント(2)
山内図書館をよく利用する横浜市北部の市民です。
伊藤様の「図書館は文化だ」という考えに賛同します。中央図書館も頑張るが、30万都市の青葉区・港北区、20万都市の都筑区・緑区の、横浜北部の地域館も、郷土の文化を次世代に引き継いでいく義務があると思います。
山内図書館が指定管理者制度を導入すると聞いて、郷土史が好きな私は、レファレンスレベルが低下することを心配しました。心配は的中しました。昨年の4月に「よろず相談処」に郷土史の調べていることを質問しても、私のほうが図書館蔵書を解説してようやく質問の意味を理解してくれる状況でした。それでも最近は、司書の人も勉強してレベルが上がりつつあります。
しかし、問題は5年後です。有隣堂が再度、指定管理者に選定される保障はありません。別の民間会社に変わると、またレファレンスのレベルがガタンと落ちるでしょう。つまり専門性の継続がありません。
なお「有隣堂」が責任のある指定管理者であることを市民に明示すべきだと思います。しかし、中央図書館を中心とした18館全体でサービスしている横浜市立図書館で、地域館1館だけ指定管理にするのは、館長の権限が中途半端です。人件費のコスト削減の効果をねらい山内図書館に指定管理者制度を導入したことは間違いでした。山中湖のような民間メリットは全く出ていません。山内図書館を直営に戻すべきだと思います。
図書館の指定管理者移管に関心をもつ東京中野区のものです。
貴視察記のなかで、名札に指定管理者の会社名が記載されて違和感をお感じになったというくだりがありましたが、別の見解をもっておりまして、参考までに意見をださせていただきました。
指定管理者化の是非はともかくも(当方は、利用者サービスの変化より、指定管理会社に極端に安い給与で雇用される労働条件が問題と思っています)、指定管理者に移管されたら、利用者にそれが明示されるべきと考えています。
一般の利用者は、指定管理になったかどうかの判別はほとんどできず、カウンターにいる人や館長は自治体職員だと見なしていると思われ、個人情報を守ったり、お役所なら安心だ…というミスリードを避ける必要があるからです。
別な施設の問題ですがご参考まで
http://titoh44.blog29.fc2.com/blog-entry-1275.html