フューチャーセンター×オープンデータ=団地再生を考える

団地再生FC.JPG
昨日はヨコハマ創造都市センターで、横浜市政策局が主催するフューチャーセッション「団地の再生を考える」に参加してきました。フューチャーセッションとは、未来の可能性を設定し、そこからバックキャストして現在やるべきことを考えるという対話の手法です。議論の出発点を現在に「置かない」ことによって議論の幅が広がることと、「あれができない」「これが難しい」という議論を避けられることから、近年、欧州の行政機関や企業を中心に広がりを見せている手法です。日本でも氷見市が採用しており、先般、視察にも伺ってきたところです(参照:対話を重視してリノベーションした氷見市新市庁舎)。

私はここ数年、議会において行政内における対話の手法としてフューチャーセッションを導入すべきだと度々主張してきただけに(参照:合意形成としてのフューチャーセンターとオープンデータ)、今回の横浜市政策局の取り組みは大きな一歩と評価したいと思います。

団地再生fig4.JPG

参加者は横浜市の職員(政策局や建築局、都市整備局など)や金融機関、建築系の学生など約60名。ファシリテーターは横浜国立大学大学院准教授の藤原徹平氏。ご自身もアトリエを持つ、実務家としての顔を持つ方です。かつては団地といえば、時代の先端を行っていたはずなのに、いつしか高齢化し、活気を失い、「なんとなくダサい」と若い人が敬遠しがちになっています。団地は現在の日本が抱える縮図といってもいいかもしれません。

そんなわけで、お題は「こんな団地なら住みたい」。私自身は広ささえ確保できれば(家族で住むことを考えると75平米はほしい)、「古い団地でもリノベーションで間取りを変えればいいや」と思っているので、実は団地に対する不満はあまりありません。希望としては、休日の朝に窓をシャーッと開けたら、パンの焼く匂い、コーヒーを淹れる匂いが漂う、そんな団地だといいなぁと思います。要は団地の中に、足を運びたくなるようなカフェがあることが条件でしょうか。

団地再生fig3.JPG

昨日は1ターム25分で6、7人で議論し、2ターム目はテーブルを変わって、また別の人たちと議論するというスタイルでフューチャーセッションは進みました。その中で印象的だった意見は「団地の無個性」。つまり、どの団地も違いがよく分からない。加えて、団地の中にある公共空間は「やっちゃいけないこと」ばかり決まっていて、非常に制約が多いという意見。しかも自治会と管理組合が同じテーブルで議論することも少ないそう。

そういう中で出てきたのは、「もっとエッジの効いた団地があってもいいよね」という意見でした。具体的には「野球の壁当てをやってもいい団地」「BBQをやってもいい団地」といった具合に、あの豊かな公共空間をもっと積極的に使いこなすことを認めることで、団地としての特徴を出していこうというもの。

ファシリテーターを務めた藤原教授のコメントがとても印象的でした。「建築関係者だけで団地再生を議論していたら、今日のようなアイデアはなかなか出てこない」。改めて、活躍するフィールドが異なる、それでいて設定されたテーマ(今回の場合は団地再生)に何らかの関わりがある人たちが集まって、多様性のある対話を重ねる意味は大きいと感じました。

そして、気付きはいつも外からもたらされます。この写真を見て下さい。緑区の竹山団地です。緑区に住む私たちには何の変哲もない団地です。「なんだ、毎年、花火大会をやるいつもの場所だよね」。ところが、この人工池があるというロケーションそのものが垂涎の的なんだとか。竹山団地も高齢化という問題に直面していますが、こうした外部から気付かされた価値をどう団地の魅力に繋げていくか、ヒントをもらった気がします。
団地再生FCfig2.JPG