横浜市立南高校附属中の成果著しい英語教育を全市展開できないか〜予算代表質問part6

サイエンスフロンティア高校については開校当初のメディア戦略などを陰ながら応援させて頂いたこともあり、私個人としても大変思い入れのある学校でありますが、このほど東京大学のAO入試で合格者を出すなど、同校が掲げてきた知識偏重を脱した、考える教育、サイエンスリテラシーが世間にも広く認知されてきていると感じています。いよいよ平成29年度に附属中学が開校ということで保護者から大きな期待が寄せられており、昨年夏の説明会では延べ4000名を超える参加者があったと聞いています。

 

Q1:市立横浜サイエンスフロンティア高校の附属中学校新設にあたっての特徴あるカリキュラムについて伺います。

A1:「サイエンスの考え方」の素養を培うことを教育課程編成の柱としています。高校の入学者選抜がないこと等による十分な時間を活用し、内容を深く掘り下げ、各授業において、「考察・討議」、「実験」、「体験」、「発表」を様々な場面に取り入れ、探究心や失敗を恐れず最後まで粘り強く課題に取り組む姿勢を身につけます。また、自分自身の能力開発が行える自由な時間「フロンティアタイム」や自然科学や社会科学を核とした探求型の学習「サイエンススタディーズ」を設定し、科学的リテラシーを早い段階から身につけさせることを考えています。

 

次に市立南高校附属中学校ですが、同校の英語教育は1年間に同じ教科書を5回繰り返し、段階的に精度を上げるスパイラル学習となっています。繰り返し聞いて、繰り返し口に出すということでインプットの質と量を共に高めることで、生徒の英語力が飛躍的に向上していると聞いています。

 

Q2:市立南高校附属中学校の英語教育についての教育長の評価について伺います。

A2:5回繰り返すラウンド方式の手法は、1回目はピクチャーカードを見ながら音声を聴き、2回目は音声を聴きながら文字を追い、3回目は音読、4回目は文法を意識した音読、5回目は、教科書の内容を自分の言葉で表現する、というように方法を変えながら、オールイングリッシュで1冊の教科書を繰り返し学習するものです。8割以上の生徒が中学3年終了時に英検準2級以上を取得していることからも、聞く・話す・読む・書くの4技能がバランスよく育成されていると評価しています。

 

市立南高校附属中学校の英語教育の高い教育効果は全国的にも大変注目されているところでして、例えば、埼玉県熊谷市は南高校附属中の公開授業研究会に参加したのをきっかけに平成26年度にまず1校で1年間に4回教科書を繰り返すスパイラル学習を導入しました。南附属中と異なり4回としたのは、1週間の英語の授業数が1コマ少ない週4コマだったからと聞いていますが、それでも英語検定において着実に成果が出ていると熊谷市教育委員会は判断しています。平成27年度には、この南高校附属中学校の英語カリキュラムをベースにした教育プログラムを熊谷市では4校に拡大し、いよいよ平成28年度には17校全校で実施、しかも市立南高校附属中学と同様に5回繰り返す、5ラウンド制を導入すると聞いています。熊谷市のこの動きにより埼玉県内の他の自治体へも波及する可能性も出てきており、ほかにも市立南高校附属中学校を視察した高知県などでも採用の動きがあると聞いています。

 

長らく日本の英語教育がなかなか実践的に使える英語として身に付かなかった中で、市立南高校附属中学校が独自の英語教育プログラムを編み出し、それが顕著な効果を出し、かつ、それが全国にも伝播しようとしている現状は素直に嬉しいものであります。私はこの市立南高校附属中学校で行われている英語教育を、ぜひ、横浜市の他の中学校でも実施して欲しいと思います。

 

Q3:市立南高校附属中学校の英語教育を市立中学校へ横展開することについての教育長の考え方を伺います。

A3:南高校附属中学校の英語教育は、高校受験がないことや授業時間数が多いことなどから、ラウンド方式によって確実に効果をあげていると考えています。ラウンド方式については、子どもたちの学習状況や興味関心をしっかりと把握し、各学校で適切なカリキュラムを編成し、実施する必要がありますが、南高校附属中学校における積極的な授業公開や、中学校間での研究を続け、他の市立中学校への導入も検討していきます。

 

サイエンスフロンティア高校しかり、南高校附属中学校しかり、なぜ公教育で中高一貫校を推進するのか、一つには公教育の授業料でも高い学力をつけられるという機会の平等という視点もありますが、それと同じくらい大事なことは、こうした学校でパイロット的に実施され、かつ効果が認められる教育プログラムを市内の中学校などに援用できれば、結果的にみなが等しくその恩恵に預かれるわけです。これら附属中学校での先進的な教育活動を他の市立中学校に成果を広め、横浜の教育の質の向上を図って頂きたいと思います。

 

最後に、先日、市立南高校の高校受験がありました。これだけ南高校附属中学校が注目されている中、残念ながら大幅に定員割れということで、塾業界にお話を伺いますと、どうも構造的な課題を抱えているように感じています。もちろん、中高一貫校になってからまだ2回目ですし、2年後に中高一貫校の1期生が大学に進学する時期が来ますので、その進学実績が同校の高校募集が抱える構造的な課題を解決する可能性は残されています。ただ、いずれにしましても、市立南高校における附属中からの進学者と高校からの新規入学者のバランスや、入試制度のあり方、その後の授業カリキュラムの組み方などはしっかりと推移を見守りたいと思います。

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