横浜ならではのライフスタルを提案できるか

東京で働いて、東京で消費する。横浜は住む場所。もっと厳密にいえば、寝るために帰ってくる場所。横浜は東京のベッドタウンとして長らく首都圏ではトップの椅子に座り続けてきた。

この延長線上に未来を描くと、横浜市北部の東急田園都市線沿線あるいは東横線沿線の、まだ人口が増えるとされているエリアですら、20年くらいのタームでみると厳しい時代を迎えると私は考えています。2000年以降の横浜市の人口動態を見ても、人口そのものは増えてきたものの、30代、40代の年齢層は横浜市の外へ、23区へ流出しているのが実態です。2025年に団塊の世代は75歳を超え、その数は100万人を突破。その時、現役世代の人口は今より25万人ほど減っている試算も出ています。

東京が抱えきれない人口需要を、首都圏のベッドタウンが引き受けてきた時代が終わりを告げ、都心回帰の傾向は今後も強まるだろうと思います。東京23区の中でも、その吸引力が強いとされているのが中央区、港区、江東区、そして世田谷区や目黒区の一部エリアです。世田谷区、目黒区の一部エリアこそ、東急田園都市線、東横線で横浜市北部エリアの住民が東京へ勤務する路線上にある、池尻大橋や三軒茶屋、駒沢大学、中目黒や学芸大学前といったエリアになります。

だから。そろそろ横浜市は「住む場所」としての横浜から、「暮らす場所」としての横浜、「働く場所」としての横浜をブランディングして、打ち出していく必要があります。東京では手に入らないライフスタイル、暮らし方と働き方をどこまでデザインできるかがポイントです。

私はそれができるだけの素材は横浜には間違いなくあると確信しています。横浜の郊外及び隣接する自治体には豊かな自然と、美味しい食(オーガニックな野菜、オーガニックな肉、その他オーガニックな食材)はあって、臨海部には都市としての居住性もあります。

あとはちょっとした仕掛けです。横浜だと東京とはちょっと違うライフスタルが手に入る。今まで同じように収入を得ながら、そんなことが可能な都市なんだということを訴求できるかどうか。暮らしと働き方の質が変わったときに、企業誘致の可能性も出てくるでしょう。要は東京の価値観で、東京と同じ土俵で勝負する限り、横浜の未来は展望しにくいのです。ミニ東京だったら、本丸の東京の方がいいに決まっています。今起きている人口流出はそういうことなのです。

最近、聞いた話ですが、キーボードメーカーのコルグが東京から本社をよみうりランドの近くに移転しました。小田急線の、急行が停まるわけでもない「よみうりランド」になぜ、本社を移転したのか。しかも、就業時間を朝の7時〜15時に変えたそうです。

東京の、慌ただしく時間が過ぎていく空間に身を置くより、豊かな自然に囲まれたところに会社を置き、働く時間もがらっと変えることで、働き方の質を変え、創造性を発揮することが狙いだと聞きました。実際、朝の7時から会社が始まるため、家を出る時間は朝の5時半〜6時。従来より1時間ほど早くなりましたが、一方で通勤電車は都内から郊外へ向かう電車になるため、ラッシュとは無縁です。ストレスを抱えることなく、会社へ通勤できる。しかも15時に仕事が終われば、まだ明るい時間帯に帰宅できて、家族で食事が出来る。その気になれば、近所のレストランで家族で外食することだって可能です。

コルグ社の例を出すまでもなく、世の中の変化に気付き始めている企業は現に存在するし、こうした動きは一つの希望だ。

東京の価値観での勝負には横浜は勝てない。その現実を認識しつつ、むしろ東京をうまく利用し、(井の中の蛙にならずに)横浜らしさをしたたかに打ち出せるか。私はその可能性は十分に持っていると思います。

your action is our future!〜最高にワクワクする横浜を、つくろう。