横浜市長選2017政策集「問題意識」

伊藤ひろたかの政策案.pdf

今、横浜に必要なことは総合的な新しい魅力を創り出す戦略です。東京のベッドタウンとして成長を遂げてきた横浜市ですが、都心の不動産価格の下落、共働き世帯の増加などと相まって、東京都心回帰が進行しています。個人市民税に強く依存する横浜市にとって、現役世代の人口流出や、高齢化は今後、負のスパイラルに突入しかねない、大きな岐路に立っていると言えるでしょう。今一度、横浜市を正のスパイラルにもっていくためには、現役世代に選ばれる都市に脱皮する必要があります。そこで重要になるのが教育環境の充実です。1兆6000億円ある一般会計予算を教育に重点的に配置し、かつ、その政策の費用対効果が高くなるような仕組みを整えます。

 

その上で、重要なことは成熟社会に合わせた、新しい都市モデルの構築です。縮退社会に即応した都市経営に転換します。一つには魅力的な都市空間の形成です。従来のような再開発ではなく、今ある社会資本を活用しながら都市空間の魅力向上と、市民生活の満足度を向上させるために、次世代型公民連携による公共空間の一新(リノベーション)に取り組みます。私はこれを三方よしの行財政改革と呼んでいます。公園や道路、河川、地区センター、図書館、様々な公共空間、公共施設がありますが、これらは今まで税を投入して維持管理する対象でした。しかし、世界を見渡せば、日本より一足先に成熟社会に突入した欧米では、こうした社会インフラを民間に開放し、その機能を維持しながら、収益を上げ、かつ市民の生活満足度を向上させることに成功しています。横浜でこれができれば、財政、まちづくり、観光、教育、福祉など様々な視点から、成熟社会に合わせた、新しい横浜の魅力を作り出せます。さらにこの施策は、昨今の単身化と家族機能の縮小に伴う地域コミュニティの縮退に対しても一石を投じるものとなります。

 

教育環境が整い、誰もが楽しくなる都市空間が生まれた時、横浜はミニ東京ではなく、オリジナルの都市として認知されることでしょう。それができれば、次に企業誘致などに弾みをつけられます。今、世の中では働き方改革が叫ばれる中、東京に近いメリットを活かしながら、それでいて横浜独特の都市空間を形成できれば、企業が会社を置く動機にもなるでしょう。加えて教育水準の高い市民が住む都市となれば、雇用の問題にも寄与します。

 

8年後の2025年には、横浜市の後期高齢者人口が100万人に到達すると予測されています。高齢者施策、福祉政策の充実は、待ったなしです。安心できるケアモデルの構築はもちろん、健康で元気あふれるシニアの活躍の機会創出に取組みます。また、障害者の方々の経済的自立、貧困の問題も、より一層取り組まなければならない重要なテーマです。従来は福祉はコストでしたが、介護や医療、福祉施策を民間との協働や、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)などの手法を取り入れることで投資に転換し、収益性のある事業へ変えていきます。様々な福祉施策を通じて、健常者と障害者の共生社会(インクルーシブ社会)を実現していきます。

 

最後に、これからを達成するために、今一度、市政運営のあり方を見直さなければなりません。職員一人ひとりの働き方が生産性の高いものにするために、データや客観的な根拠に基づいた意思決定、政策評価の仕組み、加えてAI(人工知能)の導入によるルーチンワーク(定常業務)の作業時間縮減などに着手します。また、定期的な事業見直しにも着手します。横浜市職員は優秀ではあるものの、外部の変化には鈍感な部分があります。これは公務員制度が抱える宿命でもあります。だからこそ、外部から優秀な人材を登用し、外と内のいい化学反応が生まれる庁内体制を整えます。