2010年4月22日 01:19
昨日は渋谷区議の鈴木けんぽうさん、同区議の浜田ひろきさん、弘前市議の三上直樹さん、大田区議の森愛さんたちと山中湖情報創造館へ視察に行ってきました。今回の視察には、代々木図書館の指定管理を受けている専門家も同行してくれました。
山中湖情報創造館は山中湖村の図書館で、指定管理者制度を導入しています。NPO法人の地域資料デジタル化研究会が図書館の運営に当たっています。まずはどんな図書館なのか、写真をアップしたので、こちらをご覧ください。
図書行政の在り方は様々示唆に富んでいます。ぜひとも、これは市民のみなさんと一緒に考えたいテーマです。本ブログでは、まず、昨日の山中湖情報創造館の視察報告にとどめ、別途、図書行政に関する問題提起のブログを執筆したいと思います。
山中湖情報創造館は山中湖のほとりにある図書館で、年間、わずか1700万円で運営されています。5人の正規社員と4人のアルバイトで運営しており、私は正直、指定管理料が安過ぎるのではないかと感じました。指定管理者制度はコスト削減という面だけで導入するのは良くないと思っています。
さて、同館の特徴は何と言っても村民参加と、見せる工夫です。どのような本を図書館に置くのか、その選書にこそ図書館のらしさが発揮されるわけですが、山中湖情報創造館では村民が行います。選書ツアーを行って、本を選びます。ツアーは7人程度で構成され、村の広報を通じて募集します。
選書に当たっては3つの条件があります。「自分が読みたい本」「村民に是非、読んで欲しい本」「ゲーム攻略本などは選ばない」。結果的に、大きなエゴが主張されることなく、バランスが取れた選書になっているそうです。選書の在り方について、8割くらいは図書館職員が選び、残りの2割を市民が選ぶくらいがちょうどいいかもしれません。
もう1つは見せる工夫。その前に、まず、一般的な図書館のお話をします。一般に図書館は図書分類法に基づいて、書架に本が並んでいます。その結果、横串で通して見せた方が分かりやすいのに、それが出来ていないケースが発生します。
例えば、一口に「IT」と言っても人によって求めるものは様々です。WordやExcelの使い方を知りたい人もいれば、TCP/IPやHTML5といった通信やウェブの技術そのものを知りたい人もいます。あるいは、IT業界のマーケットのことを知りたい人もいます。現在の図書分類法の場合、「007」や「547」「と分類される場所が異なるため、書架の位置も変わってきます。
もっと分かりやすい例を挙げれば、「赤ちゃんの名付け辞典」。この本、どう考えても、子育てのコーナーに置いて欲しいですよね。ところが、図書分類法だと、子どもの名付けに関する書籍は「占い」に分類されるので、子育て関連の本を置いたコーナーに行っても、一向に見つからないわけです。
もちろん、こういうことが起きるから司書を配置するわけですが、前述したITの例のように、横串で知りたい人にとっては限界があります。山中湖情報創造館では、その工夫が施されています。WordやExcelの使い方の本も、TCP/IPやHTML5などの技術関連の本も、IT関連業界のマーケットに関する本も、同じ場所に配置しています。
言葉にすると簡単ですが、実はなかなか面倒なようです。もっとも、蔵書数が多くなり過ぎると同じような取り組みは難しいかもしれません。しかし、重要なのは、来館者に分かりやすく見せよう、そして本を手に取ってもらおうという図書館側の思いがちゃんと存在していることです。
資料性に対する考え方もユニークでした。この図書館では、地域のレストランのメニュー表まで置いてあります。公的な場所にいいのか、と一瞬思いましたが、とにかく誰でもいいですよという姿勢で置いているそうです。デニーズやジョナサンといったファミレスのメニュー表もあれば、村のイタリアン、蕎麦屋のメニューも置いてあります。
これも2つの目的があって、1つは40年、50年経てば、立派な資料になるため、保存しておこうというもの。もう1つは、メニュー表を置くことで人に気付きを与えること。メニュー表を図書館で思いがけず、手に取り、ふと関心が湧いて例えば、「スイーツの作り方」の本を手に取るかもしれません。あるいは、食材そのもの関心を持って、植物関連の書籍を手に取るかもしれません。
flickrで公開した写真をご覧頂くと分かりますが、新聞のディスプレイさえも、他の図書館と全然違います。改めて、コンセプトをしっかりと持った図書館の面白さに気付かされました。昨日の視察中、他の議員がリアルタイムにtwitterで実況中継をしていました。その発言をまとめたサイトもありますので、そちらも合わせてご覧下さい。
コメントする