ホーム  » 市政レポート » No.28 給食費は誰のもの?(2010年1月号)

No.28 給食費は誰のもの?(2010年1月号)

これからの豊かさとは何か。そろそろ、その答えを私たち日本人は見つけなければいけない時期に来ているように思います。本年の市政レポートでは、「豊かな街、横浜。豊かな都市、横浜」を合言葉に、議会報告に加えて、各分野における政策提言を行っていきたいと思います。本年もどうぞ、よろしくお願いします。

日本経済が戦後一貫して右肩上がりだった時代、働けば働くほどお給料が増えた時代の成功体験を、政治も行政も社会もまだ忘れられないのが現状です。しかし、現実は異なる方向にどんどん進んでいます。今こそ、新しい価値観を発信し、「物心両面で真に豊かな生活」を横浜で実現していきたいと考えています。

まず、下のグラフをご覧ください。グラフの数字が何を表わすものなのか、即座に分かった方はかなりの横浜通です。

これは15歳~64歳の生産年齢人口の推移(将来推計を含む)です。大雑把にいえば労働力であり、納税力です。横浜市でさえ、既に生産年齢人口は減少に転じており、今後20年で約15万人の減が見込まれています。

生産年齢人口の減少から明確に言えること。それは、横浜市に税収は基本的には減少していくということ。もっとストレートに言えば、横浜市が現在展開する行政サービスの一部は近い将来、廃止や縮小しなければいけないものが出てくるということです。このダメージを可能な限り抑えるために、企業誘致が大変重要な施策であることは2009年3月号市政レポート「企業と観光で横浜を救う」で主張した通りです。

厳しい状況ではありますが、それでも横浜市は、観光地としての側面があったり、企業が集積していたり、市民の平均所得が高かったり、と他の自治体に比べて格段に恵まれた環境にあります。だからこそ、将来につながる希望の種を今のうちに蒔いておくべきです。教育や子育て、公共交通、街作りなど私が考える重要施策を順次、市政レポートで取り上げる予定です。
学校給食費は誰のもの?

小学校における給食費の未納問題が横浜市にも存在します。滞納額は年額で約3000万円(対象者:1437人、未納者率:0.75%)で、神奈川県全体の5割近くを占めます。ほぼ、人口に比例した額と言ってもいいでしょう。横浜市は去年、支払い能力があるのに1年以上も給食費を支払わない保護者を対象に法的措置に踏み切ることにしました。

支払わない保護者の存在が問題だと私は思います。こういったモラルの低下が全体の制度をおかしくしてしまいます。ですから、滞納問題は解決していかなければいけない問題です。

ただ、この問題、難しいのは給食費を徴収しているのは、横浜市ではなくPTAだという点。つまり、給食費の未納者に対して、支払いを求める権利(債権)を有しているのは、保護者なのです。本来、横浜市は債権者にはなりえないのです。

この状態で横浜市は支払いを求める訴えを提起し、勝訴しました。さて、どうなるでしょうか。勝訴しましたから、「公金」として収納されます(本当は公金ではないのですが、公金で受けるしか方法がありません)。

仮受金として受け入れるのか、あるいは雑入として扱うのか。技術的には難しい問題です。しかも公金として受け入れた後、それを学校の私会計に繰り出さなければいけないのですが、どうするのでしょうか。公金を私会計に移すのも、難しい処理です。

要は他自治体のように給食費会計(公会計)を作れば、横浜市が債権者になりますから、堂々と訴えも提起できますし、督促も可能になります。公会計の設置に向けた条例の提案も視野に、今後、改善を図っていきたいと思います。