2010年6月 4日 07:03
政令指定都市制度は、ガソリン税の暫定税率と同様、昭和31年から続く「暫定措置」と言ったら驚く方が多いのではないでしょうか?暫定であるがゆえに、様々な歪みが生じています。大阪でも府と市を統合した「大阪都」構想を橋下知事が掲げるなど、都市制度の在り方を巡って動きが活発になっているのは、そのためです。都市制度は遠い話に聞こえるかもしれませんが、実は重要なテーマです。今号では、まず、その概要をお伝えしたいと思います。
普段、みなさんが生活する中で横浜市が政令指定都市ということを意識する場面はないでしょう。ですから、都市制度は市政レポートで取り上げにくいテーマです。イメージしにくい。しかし、昨今の世界の動向、日本の状況を考えた時に、もう避けて通れないテーマになりつつあります。私は当選以来、3年間、自分自身の主要テーマの1つとして取り組んできました。なるべく、噛み砕いて説明しますので、お付き合い下さい。
大阪では橋下知事が大阪府と大阪市を統合し、「大阪都」を作ろうと言い出しています。そのための新党も結成しました。先日の大阪市福島区の補欠選挙でも、橋下新党の新人議員が当選したように大阪では都市制度の議論が少しずつ盛り上がっています。なぜ、このような動きが出てきているのでしょうか。
理由は2つあります。1つは国内事情、もう1つは世界の潮流、です。国内事情とは県との二重行政の問題。政令指定都市は、本来、県が行うべき業務の殆どを担っています。その一例が土木事務所ですが、県の業務を担っていながら、実はそれに見合うだけの財源が措置されていません。言ってみれば、持ち出しで運営している状態です。
これだけではありません。横浜市や名古屋市、大阪市は政令指定都市の枠組みを超えるまでに大きくなったのも原因です。政令指定都市制度が始まったのは昭和31年。人口が100万人の規模の自治体を想定していました。ところが、今や横浜市の人口は368万人と想定の3倍以上に達しています。当初の想定と実態がかなりかい離しています。
そもそも、政令指定都市制度自体が暫定措置です。実はかつて横浜市や大阪市、名古屋市、京都市、神戸市(五大市と呼びます)は府県からの独立を図った歴史があります。戦後間もなくの頃の話。GHQによるシャウプ勧告の後押しもあり、横浜市などは特別市を目指したのです。ところが、府県からも猛反対があり、「暫定措置」として政令指定都市制度が始まったのです。
次に世界に目を向けてみましょう。フランスのパリ、イギリスのロンドン、ドイツのハンブルグ、中国の上海、韓国の釜山、仁川。聞いたことのない名前はないと思います。これらの都市は特別市です。特別市とは、広域行政としての県の機能を持ちながら、基礎自治体の機能を果たす都市のこと。前述したように日本の場合、政令指定都市は県の機能は有していますが、それに見合う財源がなく活力を発揮しにくい状況です。
世界は今、都市間競争の時代に突入しています。日本が活力を取り戻すには潜在力のある都市に、もう少し権限と財源を与える必要があると思います。それが大都市制度なのです。次号、もう少し詳しくお話したいと思います。
